お待たせしました。
4月に一度このテーマを取り上げましたが、久しぶりに続編を書きます。
(この内容については榎並流に榎並自身が考えて書いた内容です。「私とは違う」「私はこう思う」とか いろいろな考えがあると思います。ご意見、ご要望などありましたらぜひお聞かせください。)
まず下の写真を見てください。
(写真は月刊スキ―グラフィックに掲載されたモノを使用しています)
この2つの写真を見てその違いがイメージできると思います。
まず「上の写真」は、脊柱(背骨)を回転軸とした「中心軸(一軸)運動感覚」です。
そして下の写真は、左右の股関節を通る二つの軸をイメージした「二軸運動感覚」です。
特にターン前半(谷回り)にそのポジションの違いが表れます。
上の写真の「中心軸(一軸)運動感覚」は、回転(ターン)方向「A方向」に対して外向き「B方向」に力が働く体の向き、すなわち「テールコントロール」のポジション。
そして下の写真ののように「二軸運動感覚」は、進行方向「A方向」に対して回転(タ―ン)内向き「B方向」に力が働く体の向き、すなわち「トップコントロール」ポジションになっています。
注目してもらいところは2つ、1つは下の写真「二軸運動感覚」の体の向きで 進行方向(スキーの向き、A方向)に対して 体の向きがターン内側(B方向)に先行しているところです。「二軸運動感覚」の大切な運動は「二軸」をただ意識するだけでなく、二軸の「軸の上の部分(上半身)から次の向きを先取る「先行動作」になっています。
2つ目は上の写真、「中心軸(一軸)運動感覚」で滑っているスキーヤ―はターン前半から外腰が引けた外向傾ポジションが強く表れ 斜面に対して大きく横を向いた消極的な滑りになります。
それに対して「二軸運動感覚」で滑ると、ターン前半は内向内傾の滑りが表れ、ターン前半のスタンスは外足が前に出て外腰も前に出ます。そして顔や上体の向きもF.L(フォールライン)方向に向いている積極的な滑りになります。
「トップ&テールコントロール」はどうかと言うと、二軸運動感覚とされています。
どのようなポジションかというと進行方向に対して体の向きは内向きでも大きな外向きでもなく進行方向に向いたポジションで、適度な外向傾が表れるポジション、「テールコントロール」と「トップコントロール」の中間的要素の滑りになります。
また指導者検定においてもこの滑りの違いを表現出来るか出来ないかが合否の判定の基準になると思います。
ただ単にスキーが切れているズレているとか、スピードが早い遅いでは決まらず、ターン前半に力がどの方向に作用したポジションになっているかが重要だと感じます。(両股関節の可動域の変化が滑りポジションの変化につながると思います)
以上が 榎並が考える「中心軸(一軸)運動感覚と二軸運動感覚」の違いになります。 理解に苦しむ悩むスキーヤーのお力になれればと考えています。
(この中心軸運動と二軸運動の概念は、数年前からSAJ教育部の指導員研修会テーマの一つとして取り上げられました)
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傾け操作主体で行うスキーコントロール、前後左右のポジション、体の向きやスタンスの前後差などバランスのトレーニングになります。
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